27 ― 健康になったマリエッタ
※ R18まで、行くか行かないか……そんな感じです。
マリエッタは頑張った。
嫌な薬湯も飲み、キチンと侍医の診察も受け、王宮から出ることなく、大人しくしていた。
何日も文句も言わず、病人らしく静養したのだ。
そして今日。やっと侍医から回復して健康になったと太鼓判を押された。
マリエッタは喜んだ。なにが嫌だったて、元気になるまで、夫婦生活は控えるように侍医から念を押されていたことだ。
この頃のマリエッタは、何故かジュライアーツを襲いたくて仕方がない。
今迄は体力的にマリエッタの方が劣っており、ジュライアーツがマリエッタの体調に合わせて夫婦生活を営んでいたのだが、今ではジュライアーツが悲鳴を上げようと、マリエッタは夫を組み敷いていたのだ。
それに、夫と睦み合った後は身体の調子がいいように感じる。
あの身体の中心に渦巻くドロドロとしたものが、治まるような気がするのだ。
侍医からお預けをくらってはいたが、ちょくちょくジュライアーツを襲っては、つまみ食い程度はしていたマリエッタだったが、やっと堂々と自分の夫を押し倒すことができる。解禁日だ。
湯あみを済ませ寝室へと行くと、すでにジュライアーツがベッドへ腰かけ、マリエッタを待っていた。
薄物の夜着をまとい、まるで仙女のように麗しい。
「アーツ、待っていてくれたの」
「うん……」
恥じらい、俯いて返事をする夫。
結婚して26年経つ。熟年夫婦もいいところだ。
それなのに、なに新妻感を醸し出しているんだか。
夫のくせに。
「やっと侍医からお墨付きを貰ったわ。これで自由に行動できるわ」
「マリちゃん無理しないでね。またマリちゃんが倒れたりしたら、僕……」
ジュライアーツは隣に腰かけたマリエッタに、ウルウルとした瞳を向けながら、マリエッタの袖をクイと可愛らしく引っ張る。
どこで身に着けたのか、やけに女子力が高い。
「もう、心配しすぎよ。元気になったから、明日にでも家出用に購入した家に行こうと思うの。家出じゃないけど、あの家は気に入っていたから、静養としてね」
「うん、それがいいね。静養した方がいいよ。もちろん僕も行く」
「そうね、グレンツと相談して、アーツも少し、お休みを貰うといいわ」
二人は仲睦まじく話しをしているが、その間にも、マリエッタの手は勤勉に動いている。
「やん、マリちゃん」
可愛らしく身を捩る夫。
“花も恥らう”という言葉がマリエッタの頭の中に浮かんできた。
そうね、恥らってもらいましょう。
いえいえ、大いに恥らわせましょう。
せっせと夫の夜着を脱がせにかかるマリエッタ。
言葉の意味を取り違えているが、些細なことだ。
夫の夜着を肩からスルリと降ろす。そのまま後ろへと脱がせていって、肘の所で止める。
「マリちゃん。夜着が引っ掛かっちゃった、脱がせて」
ジュライアーツがマリエッタに顔を寄せ、可愛らしくお願いする。
「ンフフフ」
「マリちゃん……」
ジュライアーツはやっと気づく。自分の両手が夜着によって後ろで拘束されていることに。
「さあ、全部見せてもらおうかしら」
舌なめずりをする雰囲気を醸し出しながら、マリエッタはジュライアーツをベッドへと押し倒す。
勿論、その時に夫のパンツを奪い取ることも忘れない。
生まれたままの姿を妻の前に晒す竜王だが、両手は後ろで拘束されていて、何一つ隠すことは出来ない。
「ヤダ、マリちゃん、恥ずかしい。見ないで」
「わざわざ脱がせているのに、見ないわけがないじゃない。じっくり見るに決まっているわよ」
美しい裸体がマリエッタの前に横たわる。
羞恥に小刻みに震えているが、抵抗はない。
そのうえ夫自身は、そろそろ上を向こうとしている。
マリエッタはニヤリと嗤うと、夫自身へと手を伸ばしていき、わざと夫の両足をパカリと大きく開かせる。
「やだ」
身を捩って、さらけ出された秘部を隠したいが、両足の間にマリエッタが入り込み、叶うことは無い。
マリエッタは、夫の太ももの付け根や下生えなどをゆっくりと触っていく。
夫自身に刺激を与えて、さっさといかれると堪ったものではないので、わざと外す。
玉数が多くない分、工夫しなければ。
失礼なことを考えるマリエッタだった。
「やん、マリちゃん、イジワルしないでぇ」
「えー、どうしてほしいの?」
「ちゃんと触って。あん、やだぁ、そこじゃ嫌ぁ。ああぁ」
ヘソの周りをぺろりと舐めるマリエッタに、直接の刺激が欲しいジュライアーツは全身を震わせる。
「ひうっ。いやっ、いやっ」
無意識に自分自身をマリエッタに擦り付けようとしていたジュライアーツは、先端を摘ままれて、あまりの強い刺激に、身体が跳ねる。
「一人だけ気持ちよくなろうなんて、ずるいわよ」
「ちが、違うよ。気持ちよくなんか。あっ、だめっ、先端クニクニしちゃダメッ」
そろそろいいかしら。
夫自身を自分の中へと招こうと、両手で夫自身を扱(しご)いていく。先走りでグッショリ濡れているし、マリエッタの秘裂も蜜を溢れさせている。
「マリちゃんっ」
ビリリリッ
夫の声が先か、布を引き裂く音が先か。
夫は腕を拘束していた夜着を引き千切ったらしい。
竜人、それも力の強い竜人にかかれば、夜着の一枚や二枚、引き裂くなんて、造作もないことだ。
腕に夜着の残骸を絡めたまま、ジュライアーツはマリエッタに覆いかぶさってくる。
「マリちゃん、マリちゃん」
マリエッタの顔中にキスを降らすと、マリエッタの夜着を脱がせにかかる。
自分の夜着は引き千切ったくせに、その手は、とても丁寧だ。
「マリちゃん綺麗」
マリエッタの裸身にうっとりと感想を述べると、マリエッタの至る所にキスをしだす。
たまには正常位もいいか。
ジュライアーツに好きなようにさせながら、マリエッタは思うのだった。
よく朝、マリエッタは、家出用に購入した家へと一人で向かった。
公務の残っているジュライアーツは、次の日にマリエッタの元へと向かう約束をして。
ちょっぴりだが、ほんのちょっぴりだが、ちょっとお疲れのジュライアーツは、マリエッタと離れて、一晩ぐっすり眠れるのにホッとしたのだ。
寝不足なのと、腰が痛いのと。
そんな考えをジュライアーツは、心底後悔することになる。
家出用の家へ行ったマリエッタは、その日の深夜、行方不明となった―――