41(1/2) ― 【 最終話 】
※ R18です。
初夜の間。
もう数えきれないほど夫と身体を重ねてきたマリエッタだったが、周りの者達が盛り上がりをみせ、この部屋を用意してくれた。
いうなれば“ヤル”為だけの部屋だ。
今更羞恥に見舞われるほどウブくはないので、ありがたく使わせてもらう。
その初夜の間へ夫を連れ込んだマリエッタは、一番に鏡を探した。
自分の容姿がどうなっているのか、非常に気になるからだ。
「無い……」
初夜の間に鏡は無かった。
夫を初夜の間に残して、鏡を探しに行くか?
チロリと夫を見ると、頬を染め恥らいながら、ベッドに座ってチラチラとこちらを伺っている。
新妻かっ!
なに処女妻感を醸し出しているんだか。
思わず独りツッコミを脳内で入れるマリエッタだった。
無理だ。
今、この夫を放って鏡を探しにいったら、たぶん死ぬまでグチグチと愚痴られる。
ウザイ。
鏡を一旦諦めるマリエッタだった。
仕方がない、変わった夫を堪能するか。
鏡を探しに行くのはそれからだ。
「さあ、見せなさい」
「何を?」
妻の言葉に夫はキョトンと首を傾げる。
見せるとは? 何を見せればいいのだろうか。
「何をって、ナニに決まっているでしょう。自分が変わったって分かってる? ナニも変わってるはずよ、さあ見せなさい」
「そんなぁ」
夫は赤い顔をしたまま、モジモジと恥らっている。
まどろっこしい。
夫の胸元を一気に両手で押し開く。
夫は伝統的な竜人族の衣装を着ており、それは東洋の国ニャポーンにあるという“着物”に似ている作りになっている。
ボタンが無いので、すぐに夫の乳頭が出てくる。
「きゃあ」
精悍な顔立ちで可愛らしい声を出す夫だが、今迄の華奢さが無くなっている分、オネエ感がある。
「ふーん、声も少し低くなっているわね。こっちの感度はどうかしら」
夫の乳頭の先端をクニクニと摘まんで捏ねる。
「やあぁっ」
マリエッタに長い年月をかけて開発されてしまった、そこは少しの刺激でも感じてしまう。
ましてや、両方いっぺんに摘ままれると、強い快感をジュライアーツに伝えてくる。
逃げようと身を捩る夫だが、それが本心でないことを長年連れ添った妻は分かっている。
「うーん、どうかしら? 触った感じは一緒ね。すぐに赤くなるのも一緒。じゃあ味はどうかしら」
「やだぁ、味なんか、するわけないよぅ」
マリエッタは、ジュライアーツにニヤリとした笑顔を向ける。
ジュッ。
左の乳頭を、ねっとりと舐めた後に強く吸いつく。
「ひうっ」
ジュライアーツは刺激に耐えられず、身体を弓なりにする。
まるで妻が舐めしゃぶるのを、よりやりやすいように手伝っているかのようだ。
夫のズボンを一気に抜き取る。
既に夫自身は、下着を押し上げている。
「ふーん、やる気ねぇ」
「だっ、だって、久しぶりだしぃ」
されるがままの夫は、妻のドレスを脱がせたいのか手を差し伸べてくるが、その純白のドレスに触っていいのか、躊躇っているようだ。
「マリちゃん、お願い。マリちゃんも脱いでぇ」
上目使いで、おねだりをする姿は、精悍な顔つきになったとはいえ、可愛らしいままだ。
「脱いでほしいの?」
「うん。脱いで」
「じゃあ、自分で下着をとって、足を開いて私に見せて。アーツがどんなに変わったか、見てあげるわ。それからだったらドレスを脱いでもいいわ」
「そ、そんなぁ」
イヤイヤと銀の髪が揺れる。
紫の瞳は、潤んできている。
「さあ、早く」
「やあぁっ、触っちゃダメぇ」
マリエッタが下着の上から夫自身を突くと、夫の下肢が震える。下着が少し濡れてきているようだ。
震える手で、下着をゆっくりと脱いでいく夫。
しかし、妻は短気だった。
夫が下着を取るか、取らないかのタイミングで、ガバリっ! と夫の両足を押し開く。
「いやぁぁ、見ないでぇ」
両手で顔を覆う夫。
「何言ってんのよ。見るに決まっているでしょう。うーん、少しは大きくなっているみたいね。完全に勃たなきゃ分からないけど。やっぱ味かしら。味を調べてみないといけないわねぇ」
マジマジとガン見しながら、マリエッタはつぶやく。
そして、夫自身を唐突にアムリ、と咥える。
いきなりのことに、ジュライアーツは咄嗟に、ずり上がろうとするが、両太ももに手を置いたマリエッタがそれを許さない。
竜魂の儀を行ったからか、マリエッタの力は、ますます強くなっているようで、ジュライアーツは少したりとも、マリエッタから逃げることは出来なかった。
グプ、グプと粘着質な音が辺りに響く。
「あぁぁ、ダメぇ、駄目だからぁ」
もう、ジュライアーツの言葉は意味をなさない。
ただマリエッタから与えられる、強すぎる快感に耐えるしかない。
無意識のうちに、いまだヴェールすら取っていないマリエッタの頭を両手で抱え込み、弱弱しく、自分から引き離そうとしている。
マリエッタが、舌で夫自身の穴を抉(くじ)ると、すぐに夫は達してしまう。
マリエッタは涙が溜まった瞳を向ける夫に見せつける様に、それを飲み下す。
「マリちゃんドレスを脱いでくれるって言ったぁ」
はぁはぁと荒い息をつきながら、ジュライアーツは、それでもマリエッタへと手を伸ばす。
「そうね」
マリエッタは自分のドレスへと手をかけると、スルスルと脱いでいく。
だんだんと裸になっていく自分自身を見てみる。
腕は、下腹部は、胸は……。
変わっているだろうか。少しでも若返っているだろうか。
元々が照明を低く抑えている部屋だ。
その上、自分の身体に影ができ、判別できない。
「あんっ」
いきなり、下半身に夫が抱き着いて来た。
「僕もやる! マリちゃんを気持ちよくしてあげるんだからっ」
夫に押し倒される。
「ウフフ。楽しみねェ。あぁ」
夫が自分の秘部へと唇を寄せてくる。
息がかかっただけでもゾクリと快感が走る。
「ああぁっ、くうっ」
ジュルジュルと、舌をマリエッタの秘部へと差し込みながら、それだけでは足りない様に、不意にクリトリスを強く吸う。
ジュライアーツしか知らないマリエッタだが、竜人の舌は人間のものより細長く、器用に動く気がする。
今もマリエッタの中で、膣壁を捏ねるように奥へ奥へと深くに入り込もうとしている。
「アーツ、アーツ、もういい。もういいから、早くアーツを頂戴。アーツ自身で私を貫いて」
マリエッタが夫へと強請る。
そう、夫の舌は器用だが細長いのだ。
もっと太い刺激が欲しい。
「マリちゃん。マリちゃんっ」
夫は、すぐにずり上がってくると、マリエッタの秘部に自身を擦り付けてくる。
「ああっん。早く、アーツはやくぅ」
マリエッタの秘部から零れる愛液を数度、自身へ擦り付けると、マリエッタの中へと一気に入りこむ。
「ああっ。あんんんっ」
衝撃にのけ反るマリエッタの腰を強くつかみ、容赦なく突き上げを始める。
ギリギリまで引き抜き、また最奥へと叩きつける。
容赦ない攻めに、それでもマリエッタは深い快感以外、感じられない。
「ああ、大きいわ。大きいわよ、アーツ」
マリエッタの両足がジュライアーツの腰を挟みこんで、逃がさないと言わんばかりに、絡みつく。
「マリちゃん。すごい、凄い、搾り取られる」
ジュライアーツも溜まらないと、腰の動きが止まらない。
「もっとよ、もっと奥へ来て」
グチュグチュと辺りに淫靡な音が響き渡る。
「ああ、ダメだよ、そんなにしたら、持たない。マリちゃんっ」
「イクわっ。アーツ、いくっ」
「僕もっ、僕も、マリちゃんっ」
マリエッタの最奥に、熱いものが叩きつけられる。
マリエッタは、逞しくなった夫の背中に爪を立てながら、しがみ付く。
「キスして、マリちゃん」
「アーツ」
ピッタリと隙間が無い程に抱きしめあいながらキスをする。
うっとりとした時間が二人の間に流れるようだ。
「さあ、始まったばかり、これからよ」
「え?!」
ニヤリとマリエッタが笑った。
マリエッタが鏡を見ることができたのは、それから大分たってからのことだった。